SHINGUCHI FARM / Custom Packing Newspaper


これまでロゴやブランドブックを通じて新口農園の「本来の輪郭」を共に整えてきました。しかし、配送中に果実を守るための緩衝材は、どこにでもある既成のものが使われていました。機能としては正解でも、箱を開けた瞬間に広がる光景として、それは農園の誠実さを伝える「表現」になり得ていない。ゴミになるだけの存在を、どうすれば受け手の記憶に残る「質感」へと変えられるか。そこがスタート地点でした。
あえて英字新聞のようなデザイン採用しましたが、そこには情報を伝える意図はほとんどありません。文字の羅列を、意味ではなく「テクスチャ」として捉え、クラシックな活版印刷を思わせるタイポグラフィと余白を設計しました。重要なのは、可読性ではなく「既成の緩衝材では絶対に感じ取れない雰囲気」を纏わせること。一度は広げてみたくなる、あるいは捨てるときにさえ丁寧な仕事を感じる。そんな、無意識に働きかけるデザインを目指しました。
完成したのは、配送時の衝撃を和らげると同時に、箱を開けた瞬間の空気感そのものを守る新聞です。ゴミになるはずのものが、思わず「手元に残しておきたい」と思わせるような佇まいを持つ。単なる梱包材という枠組みを超え、新口農園というブランドが持つ「細部へのこだわり」を、受け手の肌感覚へと直接届けるメディアとなりました。
Credit
Client
- 株式会社新口農園
Art Direction/Design
- Hiroki Kihara
Back to list



